料理アニメに求めるもの…リアリティであってリアルではない

 いまブームの「料理アニメ」皆さんはいくつご存知ですか?「ミスター味っこ」や「クッキングパパ」…。今期のアニメでは「甘々と稲妻」など料理や食をメインにした作品は昔から多いですよね。最近は趣味や一人暮らしの必須スキルとして人気急上昇の料理ジャンル、その多くはマンガ原作のものが多い印象です。

 しかし大人気な一方、個人的にアニメにしてしまうと魅力が半減してしまう作品が多いと感じております。そもそも「料理アニメ」というくらいなので主役は「料理」です。ところが「あまり美味しそうに見えない」「声優さんの演技に違和感」「なんだかウソっぽい」など…。あらゆる部分が目に付いて作品に集中できなくなってしまうのです。

 じつは「食」はアニメにおいて難易度の高いテーマです。例えばフィクションにおいて宇宙旅行や超能力バトルといった自分が体験したことのない『未体験』の事柄は少々うそっぱちでも荒唐無稽でも(そういうものなんだ)と許容できるものです。逆に自分に身近なこと、学校だったり仕事だったり日常の『体験』したことのある事柄となるとフィクションであっても違いがとても目立ちます。

 では我々が料理アニメに求めているものはなにか?それは『リアル』ではなく『リアリティ』ということです。

 「リアルもリアリティも同じだろ!」と思われるかもしれませんが、これらは全くの別物です。リアルは「現実感・写実感」でありリアリティは「臨場感・共感」ともいえます。食事は三大欲求とも密接な関係にあり、作風や世界観に合っていない限りよほど上手く表現しないと薄っぺらになりがちです。かといってリアルさを追求して実写と区別がつかない作品を求めているわけではありません。

 思い返してみてください。マンガ肉、ラピュタパン、ハイジのチーズ、カリオストロのスパゲッティ……。どれもこれも現実的じゃない(もしくは実際食べるとそれほど美味くもない)料理でも、我々の目には不思議と魅力的に映ることでしょう。実際に食べられる料理ではなく、食べたいと思える料理の数々。

 そう、私が料理アニメに求める『リアル』じゃない『リアリティ』とは、こういうことなのだと思います。
投稿日:2016年7月14日

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