外資スポンサーの大作アニメ、豪華さは群を抜いていたが…

 今年2016年の春アニメで、外資がスポンサーについた大作アニメが2本放映されました。『甲鉄城のカバネリ』と『クロムクロ』です。『クロムクロ』は現在も2シーズンが放送中です。

 アニメ業界の資金不足の話はあちこちで耳にしますが、カバネリはアマゾン、クロムクロはネットフリックスというどちらも世界配信を目的とした大スポンサーのバックアップで、その豪華さは他の同時放送のアニメの比ではありませんでした。私も、「おお、ゴージャスなのが始まったな」と期待しつつ最初の数話は楽しめました。

 しかし、どちらも途中で見るのをやめてしまいました。原因をあれこれ考えましたが、どちらも共通して言えることは、やはり大スポンサーの弊害です。多くの資金を投入して多くの集客を見込むあまり、内容がより普遍的な丸みを帯びてしまい、深夜アニメにはぜひとも欲しい先鋭的な箇所が全然ないのです。

 カバネリの美樹本晴彦氏のキャラデザインは確かに美しいのですが、もう過去に消費されつくした感じで、何の目新しさも感じませんでした。フジテレビのノイタミナ枠は斬新なアニメで、アニメの可能性を広げていきましたが、この作品からはそれを感じないのです。

 クロムクロもエヴァンゲリオンの焼き直しのような箇所が多く、またアメリカの映画「パシフィック・リム」をかなり意識しているのも気になりました。パシフィック・リム自体が日本のアニメや特撮に大きな影響を受けた作品で、それをまた日本の作品が踏襲するというパロディのパロディを見ているような気がして何度も醒めました。どちらも安定した内容なのですが、「続きどうなるの!?」とワクワクして次週どうしても見たい、という気が起きないのです。

 当初はアニメ制作の資金は潤沢なほうが良いに決まってる…と思いましたが、今ではそれも考えものだな、と複雑な気分です。
投稿日:2016年7月10日

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